| 君のいない世界。 |
| 2009.10.22.Thu / 23:58 |
| 往年の名女優が、旅立った。 晩年は認知症を患い、 同業でもある夫が献身的に介護して、と言うのが 大々的に報道されてきた。 かつての名女優が老いてゆき、 夫に介護される姿がマスコミに取り上げられた。 あまりにも行き過ぎ、売名行為、と揶揄する向きもあるが、 すべて人任せにしようと思えばできたし 然るべき施設に預けられるだけの地位も財もあったはずなのに、 それでも仕事をしながら妻を最後まで介護した夫。 「(妻を介護していた)4年間は楽しかった」と語ったが もちろんそれだけじゃない日々も多々あっただろう。 半世紀近く人生を友に歩み、 その夫の女性問題や数多のスキャンダルが報じられても それでも彼女は夫に寄り添い、いろいろあったにしてもやはり 「おしどり夫婦」という言葉は、あのご夫婦にふさわしい称号だと思う。 「僕が手を合わせるのは思い出の中の彼女、 僕のすばらしい思い出の中で彼女は生きている」 「彼女が死んだと思ってないから、お線香はあげない」 「介護をしたことで人生を蘇らせてくれ、 そして人生観を変えてくれた。彼女を介護できて4年間楽しかった」 奇麗事だらけの48年間じゃなかったはずだ。 でも、それでも、これだけ相手に対して言える、 これを愛情以外の何といえようか。 私にもいつか そんな存在が現れるのか こんな私でも心から愛してくれる そして私もその存在を信じ愛していけるだけの人が。 少なくとも、まだ私は出会っていないし、 その相手は、何があっても心の底から消えることのない、 21歳のときに出会ってから、いつの間にか私の心を占めてきたその人では、ない。 その人への恋心を意識してから 誰と付き合ってもその人の存在が常にあった。 たとえ結ばれることはなくても、私が相手を想う気持ち、 好きというただそれだけの気持ちで、その気持ちを貫き通せた日々。 二人よりそって生きていく、それは不可能だとわかっていても。 だけどいつしか、報われることのない思いを寄せ続けることに疲れ 好きだけじゃだめなんだ、そう思いつつも いまだにその存在を心から追い出せずにいる。 恋心はとうになくなったはずなのに、やっぱりその動向が気になる。 その存在を追い出せるほどの相手に 今からでも出会うことは可能だろうか。 人の気持ちに永遠はない、それでも 死が二人を分かつまで、寄り添い歩いていける相手と。 人生の半分以上共に歩んできた、 その片割れを永遠に失った夫はこう語った 「僕は、これから彼女のいない世界に踏み出します」 最愛の人が隣にいない 喜びも悲しみも分かち合えない 一人で歩んでいく彼の目に 彼女のいない世界はどう映るのか。 |
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